文法ガイド
否定
概要
否定の作り方を対照する。日本語とカザフ語は動詞に否定接尾辞を付ける(膠着的)。英語は助動詞 + not、ロシア語は動詞の前に不変化詞 не を置く。カザフ語の否定接尾辞は母音調和と子音同化で6つの異形を持つ。
類型の橋渡し
日本語とカザフ語は動詞に否定接尾辞を付ける。英語・ロシア語は独立した否定語を使う。
パラダイム表
| 言語 | 作り方 | 例 | 語義 |
|---|---|---|---|
| 日本語 | 動詞に -ない / -ません | 食べない / 食べません | tabenai / do not eat |
| カザフ語 | 語幹 + -ма/-ме/-ба/-бе/-па/-пе + 時制 | жазбаймын | jazbaymyn / I do not write |
| 英語 | do/does/did + not | do noteat | — |
| ロシア語 | 動詞の前に не | неем | ne yem / do not eat |
| 語末音 | 接尾辞 | 例 |
|---|---|---|
| 母音・共鳴音(р, л, й, у, м, н, ң) | -ма / -ме | оқы→оқыма, кел→келме, бар→барма |
| 有声閉鎖・摩擦音(б, в, г, ғ, д, ж, з) | -ба / -бе | жаз→жазба(書かない) |
| 無声音(п, ф, к, қ, т, с, ш, щ, х, һ, ц, ч) | -па / -пе | айт→айтпа, кет→кетпе |
規則
- 日本語・カザフ語は動詞に否定接尾辞を付ける(膠着)。カザフ語ではその後にさらに時制・人称接尾辞が続く。
- 英語は助動詞 do/does/did + not で否定する。
- ロシア語は否定する語(多くは動詞)の直前に不変化詞 не を置く。
- カザフ語の否定接尾辞は母音調和(前舌/後舌)+子音同化で -ма/-ме/-ба/-бе/-па/-пе の6形を取る。
例文
- 日本語私はコーヒーを飲まない。動詞に -ない を付ける
- カザフ語Мен кофе ішпеймін.Men kofe ishpeymin / іш(飲む)→ішпе→ішпеймін(無声 ш の後は -пе)
- ロシア語Я ничего не знаю.Ya nichego ne znayu / 二重否定が標準(私は何も知らない)
注意・例外
- ロシア語は二重否定が標準(никто не …「誰も〜ない」)。
- ロシア語には存在否定の нет(「〜がない」)があり、対象は属格を取る(У меня нет времени)。
- 日本語の丁寧否定は -ません(食べません)、過去否定は -なかった/-ませんでした。