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文法ガイド

名詞と格

概要

名詞が文中で果たす役割の標示法を対照する。これは日本語話者がカザフ語を学ぶ上での要(かなめ)である。日本語の助詞とカザフ語の格接尾辞は、どちらも名詞の後ろに付く膠着的標示で、ほぼ一対一に対応する。ロシア語は格を語尾に融合し文法性(3性)を持ち、英語はほぼ語順に頼る。カザフ語の格は7つで、母音調和と子音同化により接尾辞が形を変える。

類型の橋渡し

日本語の助詞 ≈ カザフ語の格接尾辞(どちらも名詞の後ろに付く膠着的標示)。ロシア語は格を語尾に融合し文法性を持つ。

パラダイム表

カザフ語の7格(例語:үй=家・前舌 / қала=街・後舌)
格(Қазақша / 日本語)接尾辞の異形үйқала
Атау / 主格(Nominative)—(無語尾)үйқала
Ілік / 属格(Genitive)-ның/-нің, -дың/-дің, -тың/-тіңүйдіңқаланың
Барыс / 与格(Dative「〜へ」)-ға/-ге, -қа/-кеүйгеқалаға
Табыс / 対格(Accusative)-ны/-ні, -ды/-ді, -ты/-тіүйдіқаланы
Жатыс / 位置格(Locative「〜で/に」)-да/-де, -та/-теүйдеқалада
Шығыс / 奪格(Ablative「〜から」)-дан/-ден, -тан/-тенүйденқаладан
Көмектес / 具格(Instrumental「〜で/と」)-мен/-бен/-пенүйменқаламен
日本語の助詞 ↔ カザフ語の格(JP→カザフ学習の橋渡し)
日本語の助詞カザフ語の格接尾辞例
/ が(主題・主語)Атау(主格)—(無語尾)
Ілік(属格)-ның/-нің
/ Барыс(与格)-ға/-ге
Табыс(対格)-ны/-ні
/ に(場所)Жатыс(位置格)-да/-де
からШығыс(奪格)-дан/-ден
/ で(手段)Көмектес(具格)-мен/-бен

規則

  • 日本語もカザフ語も格標示は名詞の後ろに付く(後置・膠着)。両者はほぼ一対一に対応する。
  • 母音調和:前舌母音(ә, е, і, ө, ү)→ 前舌系接尾辞(-нің, -ге, -ні, -де, -ден, -мен)。後舌母音(а, о, ұ, ы)→ 後舌系接尾辞(-ның, -ға, -ны, -да, -дан, -бен/-пен)。
  • 子音同化:属格などは語末音で -ның/-дың/-тың を選ぶ。母音・鼻音(н, ң, м)の後は -ның/-нің、有声子音・母音の後は -дың/-дің、無声子音の後は -тың/-тің。
  • ロシア語は6格・3性を語尾に融合し、前置詞と組み合わせて役割を示す。英語は代名詞にわずかな格が残るのみで、主に語順で役割を決める。

例文

  • カザフ語Мен үйге барамын.Men üyge baramyn / 私は家へ行く(与格 = に/へ)
  • カザフ語Қаладан келдім.Qaladan keldim / 街から来た(奪格 = から)
  • カザフ語Досыммен сөйлестім.Dosymmen söylestim / 友達と話した(具格 = と)

注意・例外

  • 具格 Көмектес の -мен/-бен/-пен は語末子音で決まる(母音・有声音→-мен、-б/-в等→-бен、無声音→-пен)。
  • 属格・対格の接尾辞は、語末が母音か鼻音か有声/無声子音かで -ның/-дың/-тың のように系列が変わる(子音同化)。
  • ロシア語の対格は、有生名詞では属格と同形、無生名詞では主格と同形になる。

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