メインコンテンツへスキップ

← 文法ガイドに戻る

文法ガイド

文字と発音

概要

文字体系と音の仕組みを対照する。ロシア語とカザフ語はともにキリル文字を使うが、カザフ語はロシア文字に固有字母を加え、母音調和(жуан/жіңішке)が語形成の中核になる点で大きく異なる。

類型の橋渡し

ロシア語とカザフ語はキリル文字。カザフ語は母音調和と追加字母(ә ө ұ ү қ ғ ң і)を持つ。本教材のカザフ語はカザフスタン国内の常用文字であるキリルのみを対象とする(ラテン文字・アラビア文字は扱わない)。

パラダイム表

文字体系の対照
言語文字拍・アクセント
日本語漢字+ひらがな+カタカナモーラ拍・高低アクセント亜 / あ / ア
英語ラテン文字(26字)強勢拍・綴りと発音の乖離大A a
ロシア語キリル文字(33字)可動アクセント・母音弱化А а, Б б
カザフ語キリル文字(42字=ロシア33字+固有9字)母音調和・語頭寄りの強勢Ә ә, Қ қ, Ң ң
カザフ語の固有字母(ロシア語にない9字)
字母おおよその音例語
Ә ә前舌の /æ/(英 cat a)әке(父)
Ғ ғ有声の喉音 /ʁ/ғылым(学問)
Қ қ無声の口蓋垂音 /q/қала(街)
Ң ң鼻音 /ŋ/(ング)таң(夜明け)
Ө ө前舌の円唇 /ø/өзен(川)
Ұ ұ後舌の円唇 /ʊ/ұл(息子)
Ү ү前舌の円唇 /y/үй(家)
Һ һ有気の /h/гауһар(宝石)
І і前舌の狭い /ɪ/іні(弟)
母音調和(接尾辞の形を決める土台)
区分母音取る接尾辞の系列
前舌(жіңішке・soft)ә, е, і, ө, ү前舌系(-нің, -ге, -де, -ден …)
後舌(жуан・hard)а, о, ұ, ы後舌系(-ның, -ға, -да, -дан …)

規則

  • 日本語は3種の文字を併用し、モーラ(拍)を単位に高低アクセントを持つ。
  • 英語はラテン文字で強勢拍、綴りと発音の対応が不規則。
  • ロシア語はキリル文字で口蓋化(硬音・軟音の対立)を持ち、アクセントの位置で母音が弱化する。
  • カザフ語はキリル文字に固有9字を加え、母音調和により語幹の母音が後続接尾辞の母音を前舌/後舌に決定する。

例文

  • カザフ語үй үйде(前舌なので -де)front-vowel harmony
  • カザフ語қала қалада(後舌なので -да)back-vowel harmony
  • ロシア語мать / мятьmat' / myat'(硬音・軟音で意味が変わる)

注意・例外

  • カザフ語にはキリル・ラテン・アラビア文字の系統があるが、本教材はカザフスタン国内の常用文字であるキリルのみを学習対象とする。ラテン移行案は検討・延期が続いており、公式確定・日常全面移行とはみなさない。
  • и, у は語形上しばしば中立的にふるまい、外来語では母音調和が崩れることがある。

← 文法ガイドに戻る